FXなどの相場の世界には様々な理論が提唱されていますが、その中の代表的な理論の一つに 「ギャン理論」というものがあります。
ギャン理論とは、世界恐慌を予見するなどの様々なエピソードを残し、伝説の相場師といわれた 《ウィリアム・D・ギャン》が晩年に体系化したもので、『価値ある28のルール』として語り継がれています。
このギャンの理論は、投資家が行うべき投資ルールを体系化したものです。実際にギャンが行っていたのは、 株式のトレードだったようですが、この理論は現在の為替相場でも有効であり、様々な本やサイトで紹介されています。
価値ある28のルール |
1:資金配分を厳密に行い、一回の売買における損失額は総資金の1/10以内に抑えること。
2:損失の限度額を設定し、ポジションを持つと同時にストップ・ロス・オーダー(ロスカット注文)を行うこと。
3:過剰な売買をしてはいけない。
4:利益を確保した後は、ストップ・ロス・オーダーを変更し、利益を損なわないようにすること。
5:トレンドに逆らってはいけない。トレンドに確信がない時には売買をしてはいけない。
6:迷った時には、決済を完了させ、ポジションを持たないこと。
7:活発に売買されている、銘柄・市場で売買を行うこと。
8:リスクを分散し、2〜3の銘柄と取引をすること
9:指値注文をしてはならない。成行注文で売買を行うこと。
10:確固たる理由なしに決済を行わない。利益を守る時にはストップ・ロス・オーダーを利用すること。
11:発生した利益は資金とは別に管理をし、緊急時などの為に温存しておくこと。
12:配当金などの小さな利益を目当てに売買を行わないこと。
13:損失が出た場合に、買い増しや売り増しによって、損失を平均化しないこと。 これは、トレーダーが行う最悪の失敗の一つである。
14:市場から逃げ出してはいけない。我慢出来ないという理由だけで、売買してはいけない。

15:小さな利益と大きな損失を避けること。
16:売買と同時に発注したストップ・ロス・オーダーをキャンセルしてはいけない。
17:過剰なほどに頻繁な売買をしてはいけない。
18:トレンドを見極め利益を出すことを目的とし、“買い”だけでなく“売り”も活用すること。
19:“安い”や“高い”だけで売買を行ってはいけない。
20:買い増しや売り増しのタイミングに注意すること。取引が活発になり、基準ラインを超えるのを待ってから買い増し、 売り増しを行うこと。
21:買い増しは強い上昇トレンドにおいてのみ、売り増しは強い下降トレンドにおいてのみ行うこと。
22:損失を防ぐ為に、同業種の銘柄を空売り、空買いをしてはいけない。この場合には、 一度決済をした上で次の機会を待つこと。
23:明確な理由なしにポジションを変えないこと。売買を行う際には、明確なルールに基づいて行わなければいけない。
24:利益を確保した後は、無駄な売買を行わないこと。
25:相場の天井や底を推定せずに、明確なルールに則って売買を行うこと。
26:自分より優れた人以外のアドバイスに振り回させないこと。
27:損切りを行った後には、取引量を縮小して、決して増やしてはいけない。
28:不適切なポジションを作ったり、決済を行ってはいけない。
以上28項目がダウ理論の価値のあるルールと呼ばれているものです。
分析というよりはFXを上手に利用するためのアドバイスといっても良いでしょう。
これらの項目は、一見あたりまえのようにも思えることが多いですが、以外と簡単なところでできなくなるポイントが多く含まれています。
基本的で、全く難しいことではなことですから常時できるだけ心がけるようにしたい理論です。
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